池袋にある資産管理会社のノウハウブログ

システムの力で医療機器メーカーの貸出管理担当者を救え!

「私、休めないんですよね」

とある医療機器メーカーのお客様と打ち合わせをしたときに、お客様が発した言葉です。その方は自社製品の貸出管理業務を担当していて、板挟みで大変な状況を教えてくださいました。

貸出管理担当者の悩み

医療機器業界では、新しい機器を発売したらまずは病院の医局や教授に評価をお願いし、一定期間機器を貸し出します。そして評価をいただいたあとに注文、納品となるのですが、貸出用の機器は多く用意できないので、評価のときに毎回営業が取り合いになるんです。

営業の方は病院に製品を売り込むチャンスを逃したくないですもんね。必死になるのはわかります…。

営業からの貸し出し依頼は私にきます。1台の機器に対して複数人からの依頼がきてしまうこともあるので、Excelの台帳で管理・調整をしながら対応しています。ただ私の対応が遅いと、営業からクレームがきてしまうんです。

お一人で管理されているんですか?

2名で管理しているのですが、とても回らなくて。機器の発送は外注先の倉庫に依頼していますが、急な出荷依頼は対応してもらえません。

複数人の営業からくる医療機器の貸出依頼にリアルタイムで応答し、予約が確定したら倉庫に出荷指示。それらを貸出管理担当者がExcelを駆使しながら行う。営業から機器の空き状況を確認する電話がかかってきたとき、休憩中で応答できなかったらクレーム。「大規模案件だから今日中に出荷して」と言われても、倉庫が動いてくれなかったら対応できない。上司から適正在庫数を聞かれても、分析をしている暇なんてないので「足りません」としか報告できない。なんとも四面楚歌。

Assetment Neoの機能アップで解決!

当社ではこのお客様の声をシステムに反映し、Assetment Neoの機能アップを行いました。

  • 営業から在庫確認の電話がかかってくる
    ⇒スマホアプリで自ら在庫状況を見れるように、かつ予約もできるようにしましょう
  • 付属品や構成品などの組み合わせが必要
    ⇒製品のパーツを種類ごとに組み合わせて予約できるようにしましょう
  • 機器の管理番号を指定して依頼してしまうと、その機器が倉庫の奥のほうにあると「取り出しが大変」と倉庫から苦情が…
    ⇒在庫引き当ての機能で、同じ型番の機器であれば手前のものから出荷できるようにしましょう
  • 公正取引協議会の指定で、貸出の際には確認書が必要
    ⇒貸出内容や期間などを記載して、確認書として使えるフォーマットを作りましょう

こうしてできたのが、Assetment Neoの今の貸出管理オプション。お客様からの現場の声のおかげで、当社も大幅に機能アップをはかることができました。

ちなみに…貸出時の出荷処理、そして戻ってきたときの返却処理はバーコードスキャンで行いました。医療機器を確認しながら物理的にラベルをスキャンするので、出荷漏れも未返却機器もすぐに把握できます。もともとAssetment Neoは棚卸から始まったシステムですし、ラベル管理は得意中の得意でございますから👍

システム導入で業務はどう変わった?

Assetment Neoを導入いただいたこのお客様には、「仕事が劇的に変わった」と評価をいただけました。今までは営業と倉庫のコミュニケーション役状態だったけれど、そこをシステムで行うようになったことで、板挟み状態から解放されたそうです。

営業はリアルタイムに在庫状況が確認できるようになり、貸出管理担当者にわざわざ問い合わせる必要がなくなったと好評。外注先の倉庫は、営業が予約した情報をもとにその日の出荷予定を確認できるので、担当者への確認が不要になったと好評。そして貸出管理担当の方は、問い合わせの電話が激減したことにより在庫分析を行う時間が確保でき、適正在庫を考えるようになったそうです。心置きなく休憩をとることもできるようになった、と嬉しそう。

煩雑な業務はシステムに任せて、人はもっと高度な業務を行う。これぞITのあるべき姿!

現在のITは、人間の「考える力」にはまだまだおよびません。人間の「考える力」は無限大。だからこそ、ITではできない「考える」業務を人が行えるよう、それ以外の業務をITでカバーできるようになれればいいな、とつくづく思った事例でした。