商品棚卸やセルフレジでおなじみのRFIDの技術を「一般企業が社内資産管理にも使えるか」考察記事、後編。前編とあわせてどうぞ。
今回はRFIDを検討中のお客様から実際にいただいたご質問と、バーコード、QRコード、RFIDのそれぞれの特徴をご紹介したいと思います。
目次
よく衣料量販店で、サーッとかざしてタグを読み取ってたりするじゃない?あんな棚卸がしたいんだよね。できる?
RFIDって魔法の杖みたいに「振ったら読み取りが終わっている」そんな感じなんでしょ?
これは実際にお客様から聞かれた言葉。商品在庫の棚卸も社内資産の棚卸も一緒くたに捉えられがちですが、実は考え方が全然違います。その違いとは『数量管理』と『単品管理』。
商品在庫の棚卸で重要なのは「何が」「何個」あるのか。同じ品番の商品を一つひとつ把握する必要はなく、たとえば「ABC123」という品番の商品在庫が何個あるのかを押さえます。
商品在庫の特徴として、一商品あたりの数量は多く、カラーバリエーションなどの種類も多い。ただしその種類にはある程度まとまりがあります。衣料量販店であればほとんどは「衣料品」というカテゴリに収まりますね。棚卸を行う環境面から見てみると、商品は店頭に綺麗に陳列されていたり、バックヤードや倉庫に在庫として保管されています。どれも「密集している」というのがミソ。
社内資産の棚卸で重要なのは「何が」「どこに・どの部門に」あるのか。同じ型番のパソコンであったとしても、山田さんのパソコンと鈴木さんのパソコンは分けて考える必要があります。これが『単品管理』の考え方。
一種類あたりの資産の数は商品在庫に比べると少ないですが、種類の数は多く、カテゴリにまとまりがありません。イスや机と言った什器もあれば、パソコンやサーバーなどのIT機器もあります。そしてそれらの所在は執務室や会議室、工場などバラバラ。一か所に密集しているわけではありません。
さて、前編でもお伝えした通り、RFIDは「まとめて一気に読み取りができる」のが特徴。これが活きる環境は
すなわち、商品在庫の棚卸のほうが適しているということになります。ぶっちゃけた話、社内資産の棚卸は、棚卸を行う環境や対象物によっては、RFIDよりもバーコードやQRコードのほうが運用しやすいケースが多いです🤫
社内資産の棚卸にはRFIDは向かないってこと?
うーん、そうとも限りません。RFIDの強みを発揮できる環境と対象物、そして数量の多さという条件が揃っていれば、社内資産の棚卸でもRFIDのメリットを享受することができます。
社内資産の棚卸でよく使われるラベルには、みなさんもよくご存じのバーコードやQRコードがありますね。それらのラベルとRFIDタグのメリット・デメリットを比較してみましょう。
バーコード・QRコード | RFID | |
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準備 | ⭕ 広く一般的に知られている技術のため利用しやすい。教育面(オペレーションなど)も難しくない。 |
❌ ある程度の専門知識が必要(しくみの理解やエンコードなど)。対象物に対して、金属/非金属タグの適正チェックが必要。 |
コスト | ⭕ 安価に導入できる。仕入れが容易。 |
⭕ 資産の数が多いほど、棚卸にかかる人件費をより抑制できる。 ❌ RFIDタグ、リーダー、プリンターともに高価。 |
運用 | ⭕ 目視による棚卸より効率が良い。ヒューマンエラーを起こしにくく確実性が高い。 ❌ 個体一つひとつに近づいてラベルを読む必要がある。近距離(15cm程度まで)でないと読み取れない。 |
⭕ 複数タグの同時読み取りが可能。環境によって離れた場所からも読み取れる。 ❌ 対象物によって金属タグ・非金属タグの選択が必要。鉄に触れている、囲まれている、水に濡れている、破損しているなど、タグの状態や周りの環境で精度に影響が出やすい。 |
こうして見てみると、コストに見合うRFIDの使い方ができるかどうかが大きな選定ポイントになるかもしれませんね。「自社がRFIDの導入に適している環境か知りたい」「RFIDを利用してみたい」とご興味をお持ちになった方は、ぜひ当社営業までお問い合わせください📞