決算時期になると頻繁に耳にする単語、「棚卸」。棚卸担当者が資産台帳を持ちながら社内を歩き回ることもあれば、本部から各部署に配られるリストをもとに社員が各自で確認したりと、方法はさまざまながら、多くの企業が定期的に棚卸を行っていると思います。
そんな棚卸に関して、お客様からよく「棚卸業務を効率化したい」「棚卸の正確性を上げたい」といった業務改善のご依頼をいただきます。業務を行うからには少しでも効率化したいですもんね。
ただ、我々が恐れているのは、棚卸行為そのものが目的になってしまうこと。業務改善をご提案したいのはもちろんですが、その前にまずは『何のために棚卸をするのか』意識合わせをし、認識にズレがないかを確認するようにしています。
今日は棚卸の本質について語る回。
棚卸とは、物品そのものの有り無しを確認すること。固定資産であれば会計報告を行うために、IT機器であればセキュリティ対策のために、物品の有り無しを確認して資産台帳を整備します。棚卸をしていない資産台帳の情報をそのまま使わないのは、台帳の情報が必ずしも正しいとは言い切れないから。これを『正』であると裏づけるために、実際に現物を確認し、現状を把握するのが棚卸です。
しかし…棚卸で現状を把握し、台帳を修正したらそれで業務終了なのでしょうか。現物確認の作業がスピードアップできて、台帳が正確になればそれで良いのでしょうか。
お客様が求めている課題は解決できます。Assetment Neoを導入して使いこなしていただければ確実に効率化します。でも、根本はそこじゃないんじゃないか、とおせっかいな私どもは思うのです。しつこいでしょ?うん、わかってる。
本当に重要なのは、台帳の『誤り』の部分。なぜ誤りがあったのか、その原因を押さえることができなければ、今後も誤りの数が減ることはありません。
「なんだかよくわかんないけど、この資産は見つからなかったから削除で」ではダメなんです。なぜ見つからないのかを追求し、紛失を防ぐための対策を講じましょう。『誤り』の修正を繰り返さない管理体制を構築することが、棚卸効率化の本当の意味なのではと思うのです。
そもそもですよ。台帳の誤りってなぜ発生するのでしょうか。なぜ社内にあるべき資産が見つからなくなるんでしょうか。
自分の所有物でもないし、会社のモノなんて別に『大切』じゃないんだよな
言い方に難ありかもですが、こんな考え方が根底にあるのが原因の1つ。使わなくなったり故障してしまったから勝手に捨てる。ほかの部署が使いたいと言っているから、気前よく渡してしまう。ロッカーの奥深くに埋もれていて、存在自体も忘れてしまった。「大切なモノ」だと思っていないからこそ起こることですよね。
だったら、その意識を変えることから始めましょう。「社内資産は会社として管理している」ことを明示して、大切なモノであることをアピールするべきです。資産にラベルを貼って、「ラベルが貼ってある=管理しているモノ」「なくしたら始末書」と宣言しましょう。
今のご時世、居酒屋に会社のノートパソコンを置き忘れようものなら大問題。それなのに、棚卸でパソコンが見つからなくても「不明」で終わり…?いやいや、もっと問題視すべきです!「パソコンをなくした」という事象は同じなのですから。
我々が販売しているクラウド型社内資産管理システム「Assetment Neo」には、「会社の資産をなくしてはいけない」という意識を浸透させるために作った機能がたくさんあります。
たとえば「不明資産報告書」。棚卸の結果をもとに、見つからなかった資産の名前や利用部門、利用者などを列挙したレポートです。
「棚卸グループ別集計表」というレポートは、どの部門が多く不明資産を出してしまっているのか、その割合や資産総額を一覧化したもの。管理の甘い部門が一目瞭然なので、報告資料として取締役会に提出して、上から喝を入れてもらうのも手。
棚卸効率化のためにシステム導入を考えている方は、経営層への報告のためのレポート出力ができるシステムを検討してみてはいかがでしょうか(宣伝)。
棚卸の本質についてまとめると、
棚卸をしていれば勝手に不明資産が減っていくわけじゃないんです。棚卸は現状把握の手段に過ぎないんです。そのことを忘れず、自社にベストな管理方法を探して、より良い体制を作っていきましょう!