社内資産の管理を行う中で、多かれ少なかれどんな企業でも直面するであろう「見つからない資産」問題。我々はこの資産を「不明資産」と呼んでいますが、この不明資産には大きく分けて「物理的に見つからないモノ」と「現物と台帳の情報に差異があるモノ」の2種類があります。
昨日持ち帰ったはずのノートパソコンが今日はカバンに入っていない。もしかして居酒屋に忘れてきた?それとも電車の中??
これは「あるべき資産」が物理的に見つからない、紛失した可能性が高い状態。会社員が1番やってはいけない、罰則レベルの例ですね😱
棚卸をして見つからなかった資産がこれだけあるけど、これは前に廃棄したはずでは…。あれ、記憶違い?
こちらは台帳の情報と現実に差異がある状態。資産を廃棄するときに台帳を更新しなかったせいで、実際には無くて当然の「廃棄済みの資産」が、台帳上は「あるべきなのに見つからない資産」になってしまっています。
いま自分の会社に出ている「見つからない資産」がどちらのタイプであるかによって、不明資産を出さないための対処法は変わります。今回はタイプ別の対処法や、不明資産になりやすいモノの種類、資産管理システムにあると便利な機能についてご紹介します。
物理的に見つからない資産、いわゆる紛失を防ぐには、従業員一人ひとりの意識を高めることが何より重要。ラベルを貼って「これは会社で管理している資産です」「なくしてはいけないモノですよ」としっかり宣言し、危機感を持って取り扱ってもらいましょう。紛失したらその事実を隠すことができないしくみ作りをすることも、不明資産を未然に防ぐことにつながります。
こちらは過去記事でも語っているので、参考までにどうぞ👇
資産管理を行う上で物理的な紛失以上に多い問題は、現物と台帳の差異。この問題の1番の原因は、リアルタイムに台帳を更新できていないこと。新しく資産を購入したり、古くなった資産を廃棄するのは年1回のできごとではありません。毎年4月にしか新入社員が入らない、3月にしか退職者がいないなんてこともありません。組織もモノも、常に変化しています。
現物と台帳の差異を防ぐには、常日頃の情報更新がとても重要。新しく資産を購入したらすぐにラベルを貼って台帳に登録します。勝手に資産を廃棄できないような社内ルールも作り、モノの入り口と出口、購入と廃棄をしっかり押さえます。その後に棚卸で誤差を潰し込み、さらに組織変更や人事異動に伴う変更を反映させることでようやく『正』の台帳ができあがります。
「資産管理をしている」という意識を持つこと、そして台帳のリアルタイム更新が大事なことがわかりました。でも、そうはいってもやっぱりちょいちょい湧いてしまうんですよね、不明資産😑
ここからは不明資産になりやすいモノ、台帳との間に誤差が発生しやすいモノの具体例を見ていきましょう。どんなモノが不明になりやすいのか、どのタイミングで情報が漏れやすいのかなどの傾向がわかれば、対策もとりやすいですよね。さらに資産管理システムに搭載されていると便利な機能もあわせてご紹介します。
台帳には「場所:△△室」と書いてあるのに、誰かが持って行ったのか見つからない…。そんな可能性が最も高いのは、頻繁に場所が移動する資産。普段は保管庫に入っていて、必要に応じて持ち出される共用パソコンや検証用端末、撮影機材などが当てはまります。
資産管理システムに必要なのは、持ち出すタイミングでその場でサクッと持出・返却登録ができる機能。いちいち自分の席に戻ってからパソコンを開いて登録するのでは、後回しになったり忘れてしまいがち。スマホアプリで資産のラベルを読み取り、その場で登録できると便利です。
ノートパソコンや社用スマホなど、個人に支給するモノも不明資産となりやすい資産です。派遣社員が多く、人の入れ替わりが激しい企業では特に、誰が何を使っているのか把握しきれず、いつの間にかパソコンが行方不明に…といったことが頻発。
ここで必要なのは利用者管理。「あなたが使っている資産はこれで合っていますか?」「ほかに使っているモノがあったら報告してください」という依頼をシステムから各社員に投げることができれば、資産管理の担当者が1人ですべてを確認するより精度も効率もグッと上がります。
人事異動で山田さんがA部からB部へ異動に。今まで使っていたパソコンは山田さんと一緒にB部に持っていかれたのに、資産台帳上はA部所有のまま。そして棚卸時には「見つからなかったA部の不明資産」扱いに…。台帳の「利用部門」「所有部門」欄を更新しないことで起こる事象です。
人事異動で従業員情報を更新したら、その人が所有する資産も自動で部門変更されればいいのに。その機能、Assetment Neoならあります😇
組織変更で部門自体が廃止になることもありますよね。台帳が更新されず「利用部門」が今は無き部門名のままになっていると、「自分の部門ではないから」と誰からも棚卸されず、宙に浮いた状態の資産が出てきます。そして忘れた頃に「そういえば前の部署で使ってたあのパソコンどこいった?」なんてことに。
システムに組織変更の情報を簡単に反映できる機能があると便利です。廃止部門の全資産を一括で新部門に変更するとか、A部とB部に分割するとか、柔軟な対応ができるかどうかでその後の台帳精度が大きく変わります。組織変更の多い大企業ほど重視すべきポイントです。
後半は当社製品の宣伝みたいになってしまいましたが、これらの機能は我々がああでもないこうでもないと悩んだ末「これこそ必要だ!」とたどり着いた結果です。資産管理システムを導入したいけど何を選定ポイントにすればいいかわからない、どんな機能が必要かわからない、という方の参考になれば。