社内資産をExcelで管理するのはもう無理だ!システムを導入しよう!
こんな流れで資産管理システムを導入することになった場合、システムに最初に流し込む台帳データはどうしましょうか。管理に問題が生じてシステム導入に至ったわけだから、台帳データは正確ではない可能性が高いですね。不正確な情報を初期データとして登録しますか?
台帳情報を綺麗に整備して、資産管理の運用ルールも適切に定めた上で、新たなシステム運用を開始するのがベストですが、そんなの理想論。なかなか実践できるものではありません。
ではこの問題をどうやって解決しましょうか。今回は、我々が打開策を模索した結果の妥協案(?)をシェアしたいと思います。
まずは、当社がお客様からよく伺うデータ不備の具体例を挙げてみます。
こんなにも信用できない台帳情報を、まっさらなシステムに流し込むなんて耐えがたい。だからといって、一つひとつデータを修正するのは並大抵のことではありません。当時の状況を知っている人がすでに退職していたり、現時点でのモノの所在を誰も把握していなかったり、はたまた台帳に載っていない資産が出てきたり。私だったら無理、投げ出す😵
単刀直入に言います。そのデータ、サヨナラしませんか?
問題だらけの既存データの整備に時間をかけるより、これからの管理に力を注ぐほうが大事。だったら既存の台帳は使わず、システム導入後に新規購入した資産だけを登録しましょう。新たに登録した資産の管理だけを徹底すれば、5年後には綺麗な台帳ができあがっているはず!
…というのは極論ですね。そんな勇気ある決断を下したお客様は過去にいません。既存の全データに見切りをつけるのは現実的ではないので、問題のあるデータだけサヨナラしましょう!
問題のあるデータか否かの判断はどうやってしましょうか。まさか一件一件チェックを…?いいえ、効率的にあぶりだす方法があるんです。
まずは既存の台帳をシステムに全部流し込んでしまいましょう。問題のあるデータは、システム導入後の最初の棚卸のときに呼ばなくとも出てきます🔎
既存の台帳をもとにして棚卸を行うと、見つからない資産がたくさん出てきます。これが過去の問題あるデータ。でも、たまたま見つけられなかっただけ、たまたまそのとき持ち出されていただけの可能性もあるので、初回棚卸時はこのままスルーします。もちろん「不明」だった記録は残して。
翌年、あるいは次の棚卸時に、再度全件の棚卸をします。2回とも見つからない資産があったら、それはもう3回やっても4回やっても見つかることはありません。全部「廃棄」扱いにしてしまいましょう。これで過去の不備データとおさらば!
「今の台帳がこうだから」と過去のデータにこだわりすぎて、せっかくの新システム導入の足を引っ張るようでは本末転倒。「諦めポイントをどこにするか」の定義をあらかじめ決めておいて、そのタイミングが来たらきっぱりすっぱり諦める。問題ある過去のデータに引きずられない運用計画を立てることが大事です。
棚卸で見つからなかった「不明資産」を探す作業がどれだけの労力を伴うものか、これについては以前も記事を書きました。そちらも参考にしつつ、無いモノの探索に時間を取られることがないよう、今後の運用方法を考えてみてください。
ちなみに…当社のクラウド型社内資産管理システム「Assetment Neo」には、棚卸で資産を見つけることができなかった累積回数を一覧化する機能があります。ここが「2」以上になったら、もうそれって廃棄でいいんじゃないの、という目安になりますね。便利でしょ。