新型コロナウイルスの感染拡大にともない、テレワークを導入する企業が日に日に増えています。当社も4月1日から全社員が在宅勤務に切り替わりました。IT企業ということもあり、すでにSSL-VPNで社内システムにアクセスできる環境が整っていて、WEB会議も行える状態にあったので、導入障壁はそこまで高くなかったと思います。
今回の在宅勤務は、「働き方改革」としてのテレワークとは意味合いが違います。新型コロナウイルスに対する事業継続計画(BCP)の実行として、さらには非常事態宣言の発令による対策として、希望者のみではなく全社員が一律に在宅勤務を行ったので、障壁が低かったとはいえ、やはり「何の問題もなく一発で成功した」わけではありません。社員の家庭環境の問題だったり、セキュリティの問題だったり、何かしら起こるんですよ…。
今日は当社が在宅勤務を開始したときの資産管理の手順や、どんなことに考慮したかについてお話ししたいと思います。
ノートパソコンを1台持って帰るだけでもテレワークは可能ですが、業務内容によっては大きなディスプレイとハイスペックなデスクトップパソコンが必要な場合も。下の写真はデスクトップパソコンを郵送した社員の荷物一式。これだけあれば問題ないでしょうというMAXの例。
何を自宅に送るか、どうやって業務を行うかをシミュレーションした際に気づいた点や、改善の余地がある点をいくつか挙げてみると…
当社は生産性向上のために全社員がデュアルディスプレイを取り入れていて(ちなみに社長はトリプルディスプレイ)、24インチのディスプレイが2台ずつ支給されています。ノートパソコンを利用している人も社内ではデュアルディスプレイで作業しているので、ノートパソコンの小さな画面だけを見ながら仕事をしているメンバーはほとんどいません。
社内での業務効率を自宅でも実現するためには、ディスプレイは2台送りたいところ。でも、自宅にディスプレイを2台並べるスペースはなかなか…。結果、1台ずつの郵送となりました。
当社は、営業など外出の多い社員にのみノートパソコンが支給されていて、それ以外のデスクワークメインの社員はデスクトップパソコン。このご時世ではノートパソコンの追加購入は難しいし、生産性が下がることも避けたいので、会社で使っているデスクトップパソコンをそのまま郵送することに。
デスクトップパソコンの場合は、ノートパソコンと違い付属品がいろいろ必要。前述の写真にも載せましたが、キーボードやマウスはもちろん、WEB会議を行うためのWEBカメラ(マイク機能付き)、ディスプレイをスピーカーにするためのオーディオケーブルなどなど…。コンセントの差込口が足りなくなったら電源タップも必要ですね。これは気をつけないと、自宅で不足品が出てセッティングができなくなりそう。
当社は各自にモバイルルーターが支給されているわけではないので、自宅のインターネット回線を使用して業務を行います。IT企業に勤める社員なのだから、当然自宅のインターネット環境は万全のはず…と思いきや、そうもいかない。
かろうじて全員自宅にインターネット回線は引いていましたが、LANケーブルで接続できる人はともかく、「自分の部屋に無線が届かない」という人もちらほら。ノートパソコンの社員には無線LAN中継機を貸与することで対処ができたけれど、デスクトップパソコンは無線LAN機能がないので、新たに無線LAN子機を購入することに。
さて、自宅に何を郵送するかを決めたら、その情報をきちんとデータとして記録し、社内資産の貸出管理を行いましょう。どさくさに紛れて必要以上の資産を持ち出されてしまったり、そのまま紛失してしまっては大変です!
当社は資産管理の会社ですから、もちろん自社製品のAssetment Neoを使って貸出管理を行います。すでに社内資産にはバーコードが貼付されていて、資産台帳はAssetment Neoで一元管理されている状態です。
各自で梱包を完了してしまうと、第三者が中身の確認をすることができないので、不正持ち出しができてしまうということに。それはいかん…!ということでテープ止めまでは行わず、情報システム担当者が最終チェックをする流れにしています。
送付先の住所の管理はちょっと工夫しました。Assetment Neoのデータから、各社員の自宅の住所(=個人情報)をほかの社員が知ってしまうのはアウト。なので貸出先の住所をAssetment Neoに登録するのは避け、送り状で管理することにしました。
これなら個人情報をシステムと切り離すことができるし、人事担当者以外は住所を見ることができないので安心。
そしてこの運用のポイントは、箱に同梱した貸出票。ケーブルのような細かなものは返却時に入れ忘れる可能性があるので、貸出票で各自チェックをすることが重要です。
何百人、何千人もの社員がいる会社であれば、少なからず貸与品が不明になってしまうこともあると思います。そんなとき、事を曖昧にできてしまうのは社員にとっても良くありません。責任分界点を明確にすることは、モノを貸与するときの必須のルールです。
「貸したはず」「借りてない」の押し問答を回避することができる貸出票。Assetment Neoを導入していなくても実現できる運用ではないでしょうか。
もちろん、Assetment Neoと同時に運用してくださればなお嬉しいですけれども。