前回の記事で、社内の廃棄資産を把握することの重要性についてご紹介しました。不要なモノなのになぜ把握しなければいけないのか、把握せずに一括処分してしまうとどんな不都合が発生するのかについてもお話していますので、まだご覧になっていない方はぜひ。
今回はその続き。管理することが大事なのはわかったけど、でも山のように積み上げられた廃棄資産を一つひとつチェックする労力なんてない。そもそも同じ型番の機器がたくさんあったらどうやって見分ければ…?
1番効率よく廃棄資産を管理する方法は何なのか、システムを導入している場合としていない場合に分けて考えてみましょう。今回も「不要になった社内資産を会議室など一か所に集約し、廃棄担当者がまとめて処分する」という前提で考察してみます。
まず最初に、資産を廃棄する際の登場人物についておさらいしましょう。登場するのは廃棄資産の持ち主である『利用者』、廃棄申請を承認する『利用者の上司』、そして社内の廃棄資産をまとめたり廃棄業者への依頼を行う『廃棄担当者』。
廃棄担当者の役目は、業者の手配や廃棄資産の引き渡しだけではありません。台帳情報の更新も廃棄担当者の重要な仕事。廃棄時に資産の利用者が個々に台帳を更新してくれれば1番スムーズですが、絶対「あとで更新しようと思ってそのまま忘れてた」という人が出てきます…。そんな事態を防ぐためにも、廃棄担当者が責任を持ってデータ保全を行うべき。
さらに、廃棄担当者は「本当にこの資産を捨ててもいいのか」という最終判断を下す最後の砦でもあります。本来廃棄してはいけない資産が紛れ込んでいる可能性もあるので、やはり第三者が最終確認をすることが重要です。
前置きが長くなってしまいましたが、ここからは具体的な方法を見ていきます。まずはシステムを導入しておらず、Excelや紙の台帳で管理している場合。不要な資産を持ってくる際、各自で廃棄申請書を書いてもらいます。申請書には資産名や利用部門名、利用者名、あれば資産番号を記載します。廃棄理由や承認印欄もお忘れなく。
できあがった廃棄申請書を資産に貼り付けた状態で、集約場所に出してもらいます。廃棄担当者は申請書と資産台帳を突き合わせて、台帳上の対象資産を「廃棄済み」に更新。廃棄申請書が貼られていない資産はそのまま残し、持ち主に持ち戻ってもらうか、改めて申請書を書いてもらいます。この持ち主探しが面倒なんですけどね…自ら名乗り出てくれる人なんて滅多にいないでしょうし😇
システムを導入している場合は、システムから発行したバーコードラベルを社内資産に貼付しておいて、廃棄時は廃棄担当者がそのバーコードをリーダーでスキャンすればOK。資産番号を目視で確認する必要はありません。スキャンしたデータをシステムに取り込んで廃棄処理を行えば、対象資産の台帳情報はすべて「廃棄済み」になります。
てんでバラバラな位置にラベルが貼ってあるとスキャンの際にラベルを探さなければいけないので、ラベルの貼付位置は資産ごとにルールを設けると◎。山のように積み重なった資産を一つひとつスキャンするのが大変であればRFIDという方法もあります。一定の距離内であれば電波を使ってピピピピーッと読み取れるので、ラベルを探す手間が省けます。
システムを導入している場合も、承認済みの「廃棄申請書」の添付は必須にしましょう。これがない場合はラベルスキャンも行いません。
さてさて、これらを踏まえた上で、システムを導入している場合の資産廃棄の理想的なフローを見てみましょう。
パソコンなどのIT機器のデータ消去を自社で行う場合は3のタイミングで。引き取り業者にデータ消去も依頼している場合は、あとでデータ消去証明書を受領するのを忘れずに。
スマホアプリを使ったスキャンなど、データのリアルタイム反映が可能な場合は5の作業は3のタイミングで。専用のリーダーを有線でつないでインポートする場合は5のタイミングになります。
ここまでできれば合格!ラベルスキャンも「廃棄済み」登録も行ったのに業者への引き渡しをしていなかった、業者が持って行くのを忘れていた、なんて可能性もゼロではありませんから、証明書を受領することで「確実に廃棄した」という証拠になります。
ちなみに…当社のクラウド型社内資産管理システム「Assetment Neo」のスマホアプリなら、ラベルスキャンとワークフローを連動させることができます。廃棄申請の承認が下りていない資産のラベルをスキャンするとエラーが出るので、わざわざ資産に廃棄申請書を貼り付けなくても「承認された資産かどうか」が判別可能に!ぜひご検討ください👍