池袋にある資産管理会社のノウハウブログ

【前編】RFIDタグで社内資産の棚卸、実際どうなの?

ここ十数年でスマートフォンが加速的に普及し、私たちの日常生活は大きく変わりました。インターネットで手軽にお買い物をしたり、支払いも電子マネーで済ませたり。目覚ましい技術の進歩に、もはやついていけなくなっている方もいらっしゃるかもしれませんね🙋

最近は店頭でセルフレジを見かけることも多くなりました。特に某アパレル店舗のセルフレジは画期的。レジのボックスに商品を投げ込むと、一瞬で複数の商品を読み取って合計金額が算出されるアレ、みなさん一度はやったことがあるのではないでしょうか。

RFIDと呼ばれるこの『一瞬読み取り』の技術は、バックヤードの商品棚卸でも活用されています。膨大な数の商品をババババーッと読み取る、そりゃあもう便利です。今回はこのRFIDの技術を「一般企業が社内資産管理にも使えるか」について、前編と後編に分けてお話したいと思います。

そもそもRFIDって何?

RFID(アール・エフ・アイ・ディー)は「Radio Frequency Identification」の略。電波を用いて非接触でデータを読み書きするテクノロジーのことを指します。SuicaやPASMOといった交通系の非接触ICカードもRFIDの1つです。

もう少し技術的な説明をすると、RFID専用のハード端末(データの書き込み・読み込みをするリーダライタなど)から特殊な電磁波を飛ばし、ICチップとアンテナが組み合わさったRFIDタグのアンテナ部分でその電磁波をキャッチ。受信した電力でICチップが駆動して、ICチップに書き込まれている情報をハード端末に無線で送り返します。

この技術を活用することで、今まで人の手を介して行われていた業務の「自動化」「効率化」が図れるようになり、さらにはヒューマンエラーの抑制や人件費削減といった効果も見込めるようになりました。

そんな良いことずくめな話を耳にしたら「社内資産の棚卸にも使ってみたい!」と思いますよね。ええ、私なら思います。

資産管理におけるRFIDの特徴とは

社内資産の棚卸は、資産を一つひとつ現物確認する必要がある、人出も手間もかかる業務。これをRFIDの技術で一気に読み取ることができれば、かなりのメリットが見込めるはず。ただ、棚卸を行う環境や対象物によって、その効果の度合いは変わってきます。

RFIDの主な特徴を挙げると…

  • まとめて一気に読み取りができる
  • RFIDタグの情報は繰り返し書き込みができる
  • RFIDタグには金属タグと非金属タグの2種類がある
  • 金属に囲まれた環境では読み取りづらい(読み取り距離が短い)
  • 水に弱い

資産管理にRFIDを利用する分においては、一度資産に貼ったタグを剥がして再度使い回すことはないと思うので、基本的には情報を繰り返し書き込むことはしません。ですがそのほかの特徴は、しっかり把握しておかないと導入効果が今ひとつになってしまう可能性も。3つの例をご紹介しましょう。

開梱せずに中身を読み取る:倉庫の場合

まずはRFIDの良さを十二分に実感できる使い方。未使用のパソコンがダンボール箱に入った状態で保管されている社内倉庫をイメージしてください。

パソコンに貼られているのがバーコードラベルの場合は、いちいち箱を開梱してラベルを読み取る必要がありますが、非接触で一気読みが可能なRFIDなら開梱不要。箱が複数積まれていたとしても、外側からまとめて一気にスキャンすることができます。

金属に囲まれた環境で使う:データセンターの場合

次はちょっと注意が必要なケース。データセンター内で、サーバーがラックに収納されて整然と並んでいる様子を想像してください。

金属に囲まれた環境下では電波があちこちに反射してしまい、読み取りが難しくなります。非金属タグは金属には使えませんし、金属タグであってもこのような環境下では読み取り距離は期待できません。ラックの扉を開け、ある程度近くに寄ってから読み取る必要があります。それでもバーコード運用よりは断然速いですが⏱

2種類のタグを使う:一般的なオフィスの場合

最後に一般的なオフィスの場合。机やイス、キャビネット、パソコンなど、金属製のモノや非金属のモノが混在しています。これらすべてを管理するとなると、金属タグと非金属タグの2種類を使い分ける必要が出てきます。

金属、非金属それぞれに適したタグを貼ること、読み取りづらい位置には貼らないこと。これらを徹底できれば一気読みが可能になり、棚卸の効率UPが見込めます。反対に徹底ができていないとRFIDの良さが発揮できず、スキャンにかかる時間はバーコード棚卸とさほど変わらないかもしれません。


RFIDの機能を活かせるかどうかは使う環境や対象物によって異なる。だからこそ、社内資産管理でRFIDを導入する場合は慎重に検討する必要がある。なんとなくイメージが湧きましたでしょうか。

「うちの場合はRFIDが活かせる環境に当てはまる?」と疑問に思った方はぜひお問い合わせください。当社営業がお客様の環境をヒアリングし、ベストな方法をご提案します😀