前回の記事で、棚卸にバーコードを使うメリットとして「正確性と効率性が上がる」とご紹介しました。具体的な目安として、当社ではよく「作業負担が『5分の1』になりますよ」とお客様にご提案しています。
でもですよ。バーコード棚卸が効果を発揮するのは「実際の棚卸」行為のみ。その前後はバーコードを導入しただけではどうにもなりません。
棚卸の一連の流れで最も時間のかかる「実際の棚卸」がバーコード棚卸で短縮されるのは良いけれど、実は棚卸の中で1番厄介なのは「不明資産の探索」。
所在がはっきりしている資産のラベルをスキャンする行為は、先が見えるのでスケジュールを立てやすく、作業の分担も可能です。でも見つからなかった資産を探す工数は、先が見えず予測が立ちません。
棚卸で見つからない資産があったとき、どうやって探していますか?
誰か知っていそうな人に聞くかな…
それって誰?
おそらく、まずは部門内で管理を担当している人に聞くことになるでしょう。部門内の担当者が明確に決まっていなかったとしても、きっとどの部門にも「この人に聞けばわかるはず」っていう人がいるのではないでしょうか。
部門担当者が所在を把握していなかったら、次はその資産を直前に使っていた人に聞きたくなりますね。でも直前の利用者が誰かわからなかったら?
今度は社内全体の管理者に尋ねることになるでしょうか。探しているのがパソコンだったら、おおもとの管理者は情報システム部の担当者。誰かが「これは使われていないパソコンだから」と情報システム部に渡してしまっているかもしれません。でも、もしそこにもなかったらどうしますか?
「不明資産の探索」とは、言ってしまえば「知っている人を見つける」行為。知っている人がいなかったら、資産を見つけることもできません。
「探す時間が無駄だし、見つからないなら仕方ないよ」と不明資産を許容したとします。そうするとモノの管理はどんどんルーズになり、見つからないモノが増え、そもそも台帳自体が信じられなくなってきます。
信用できない台帳を使っての棚卸、それってやる意味がありますか?人件費の無駄ではないですか?モノがなくなってもいいのであれば、そもそも資産管理をやる必要はないのでは…。
ただ、「資産がなくなっても平気な会社」ってどうなんでしょう。これに関しては、「棚卸の本質」と題して以前熱く語っておりますので、そちらもご参照いただきたく👇
手間のかかる不明資産の探索を最小限に抑えるには、不明資産が発生する原因を改めること、そして情報管理を徹底することが大切。
まずは不明資産が出る原因を考えてみましょう。
こんなところでしょうか。
では、これらを改めて見直してください。「盗まれた」以外の項目は、すべて情報管理がしっかりできていないことに起因しています。担当が変わった、部門が変わった、外部に貸し出されたなど、物事が発生したときに情報更新を行わなかった結果、現状と台帳の情報に差異が出て、わけがわからなくなってしまうのです。
普段からの情報管理を怠り、安易に「棚卸のときに潰し込めばいいや」と思っていると、棚卸差異の多さ、不明資産の多さに対応が追いつかず、結局諦めてしまって資産管理が破綻します。
でも、資産の場所が動いたときにしっかり情報更新を行っていれば、棚卸差異というものは実はほとんど起きないのです。差異が出なければ不明資産の探索に時間や手間をかける必要もなくなり、結果として資産管理の作業コストを下げることにつながります。
情報管理の大切さ、伝わりましたでしょうか。モノの所在が動くときは、必ず台帳の情報を更新する。これを徹底することで「不明資産の探索」の手間を大幅に削減できます。
その場ですぐ台帳を開けるとは限らないし、あとでやろうと思ってたら忘れそう…
ですよね。その場で台帳を更新できる運用にしないとなかなか定着しないと思います。
当社のAssetment Neoなら、スマホで情報を更新できるアプリがあるんですよ…いかがですか…😇